環境領域のサステナビリティ実現に向け、「地球環境の負荷軽減」「サステナブルな製品開発」などに取り組む。プラスチック容器を循環利用する「BeauRing」や藻類の原料活用など、先進プロジェクトを推進する。

 「資生堂は創業以来『美』の可能性を広げ、新たな価値を創出してきた。社会から最も信頼されるビューティーカンパニーを目指し、サステナビリティ活動を推進している」。経営革新本部サステナビリティ戦略推進部部長の中村亜希子氏は、サステナビリティの取り組みをこう話す。

 2030年に向けてビジョン「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を揚げる同社は、目標を設定し、環境・社会の領域でグローバルに施策を展開している。

 環境領域では、「地球環境の負荷軽減」「サステナブルな製品の開発」「サステナブルで責任ある調達の推進」の3つを主要アクションに据える。

使用済みプラ容器を再生

 20年には、リスペクト、リデュース、リユース、リサイクル、リプレースから成る容器包装開発ポリシー「資生堂5Rs」を制定した。

 化粧品容器は、中身の保護や使いやすさ、デザイン性などを考慮し、多種多様なプラスチックを組み合わせて作られることが多い。そのため使用後の分別が難しく、プラスチック資源として循環利用する際の課題になっていた。

 そこで22年、積水化学工業、住友化学と協業し、容器を分別せずに収集し、各社の技術により化石資源と同等品質の再生ポリオレフィンに変換して資源化する循環モデルの構築に着手した。資生堂は、店頭を通じたプラスチック製化粧品容器の収集スキーム構築と、化粧品容器への再生ポリオレフィンの活用を担う。

 現在、特に力を注いでいるのが、使用済みプラスチック製化粧品容器を新たな化粧品容器に再生する循環型プロジェクト、「BeauRing(ビューリング)」だ。

 23年には、同プロジェクトへのポーラ・オルビスホールディングスの参画も決まった。4月から、横浜市の百貨店や化粧品専門店など20拠点に「BeauRing BOX」を設置し、使用済み容器を収集する実証実験を開始している。

 資生堂ブランド価値開発研究所R&Dサステナビリティ&コミュニケーション部部長の大山志保里氏は、「接客時にお客様にお声掛けしていることもあり、プレステージ化粧品のプラスチック容器を中心に順調に収集が進んでいる」と説明する。

 今後は収集の店舗チャネルを総合スーパー(GMS)やドラッグストアにも拡大する方針だ。既に設置されているペットボトルなどのリサイクルボックスの横に置き、化粧品容器の収集も来店客の習慣として根付かせるなど、新たな取り組みを検討している。他企業にも参画を呼びかけ、資源循環の輪を広げていくという。

 「詰め替え・付け替え」容器の展開拡大にも注力している。22年には、グローバルで30ブランド、770SKU(SKU:商品の最小管理単位)以上の詰め替え・付け替え容器を提供した。