自社の活動や取り組みをメディアに取り上げてもらうための重要な手段のひとつがプレスリリース。
 どんなプレスリリースなら記者や編集者、フリーランスのライターの目に留まりやすいのでしょうか。その勘所を踏まえつつ、今話題のChatGPTにプレスリリースの「ひな型」をつくらせ、記者・編集者目線で改善すべき点について考えてみたいと思います。



メディアの編集者・記者目線で押さえたいポイントは何か

 今回はプレスリリースを受け取る側としてメディアで長い編集経験があり、現在もフリーランスとして日々プレスリリースに目を通している、「ナショナル ジオグラフィック日本版」元編集長の長坂邦宏さんに伺いました。編集者・記者目線でプレスリリースに期待する要素やポイントを挙げてもらい、次の表にまとめてみました。



 上記の「7つのポイント」について、簡単に説明しましょう。1と2ですが、多くの記事はニュースやトピックスを中心に書くことが多く、「新しさ」がなければ書き手にとってはネタとして取り上げにくいものです。ニュース性やトピックス性が明確になっていれば、記事はとても書きやすくなります。

 技術や製品サービスが高度で複雑化すると専門用語が多くなりがちですが、できるだけ専門用語は使わないようにしましょう。専門用語が並んでいるだけで記者・編集者の理解の妨げとなり、記事化する意欲が低下してしまいます。平易な言葉に言い換えるようにしましょう。どうしても無理な場合は用語解説を付けてください。

 4について、「画期的な技術」「優れた手法」といった抽象的な表現は避けましょう。数値を入れるなどファクトを盛り込んで書くと、俄然、説得力は増します。

 時々、文章のつながり段落のつながりが不明で、何を言いたいのか分からない場合があります。文章のロジックは記者・編集者に正しく理解してもらうために大切です。

 6の写真や図を使うことはとても重要です。目を引き、理解を助ける効果が高いからです。それに記事に使える写真や図があれば、記者・編集者にはありがたいものです。記事になった時のアピール力も違います。ぜひ効果のある写真や図を使うようにしてみましょう。

 7の市場規模や市場動向についてですが、小さな説明が付けられていると、記事を書く時にとても参考になります。特に新しい技術や製品について発表する場合は、こうした市場データを盛り込むようにしましょう。



ChatGPTなど生成AIで入力してはいけない情報に十分に注意!

 さて、新聞・テレビ・雑誌では生成AI(人工知能)のニュースや話題がない日はありません。企業や教育の現場で取り入れる動きが進んでいます。すでにプレスリリースの作成に利用できないか試してみた人もいるのではないでしょうか。

 結論から言えば、完璧なプレスリリースを作るのはまだ難しいものの、「ひな型」をつくるのには利用できそうです。日々の業務が忙しく、人手も十分ではない企業の広報担当の方にとっては、「ひな型」をつくってもらうだけでも作業効率がアップするかもしれません。

 ChatGPTを使う場合、個人情報や機密情報は入力しないなどいくつかの注意点があります。プレスリリースの「ひな型」をつくってみる前に、その注意点について確認しておきましょう。

 一般社団法人日本ディープラーニング協会は「民間企業や各組織が生成AIを利用する場合に組織内のガイドラインとして最低限定めておいた方がよいと思われる事項」について「生成AIの利用ガイドライン」//www.jdla.org/document/#ai-guidelineを2023年5月1日に制定し、公開しました。同ガイドラインから主な注意点をピックアップし、まとめてみました。



 ChatGPTなど生成AIは、プロンプト(命令文)の中に個人情報や機密情報など入力すべきではない情報を入れると、その情報を学習して別の利用者への回答に反映される懸念があります。大切な情報の流出を防ぐために、プロンプトの入力には十分に注意しましょう。



ChatGPTを使ってプレスリリースの「ひな型」をつくってみた!

ChatGPT(GPT-4)を使って、プレスリリースの「ひな型」をつくってみました。
自身が「農業DXを支援するITベンチャーの広報担当者」という設定で、以下のようなプロンプト(命令文)を送りました。


下記は実際の出力結果として生成された文章、プレスリリースのひな形です。


以上、ベースとなるひな形が、こちらが出した命令文(プロンプト)によって生成されました。



生成された文章の修正点は??

 さきほど出力されたプレスリリースのひな形を、先ほどの注意点に沿って「ひな型」を点検し、修正する点を考えていきます。生成された文章で具体的な数字を入れたりファクトを追加したりして内容を充実させていくという方針です。



 以上のように、日本語の表現や、図や写真を入れた方がいい箇所などについて指摘してみました。



結論、ChatGPTは使える?

 以上を踏まえ、ChatGPTの「実力」をどう見ますか。「予想以上にプレスリリースに近い形にまとめてくれている」と思う方もいれば、「いや、業務には使えない」と感じる方もいるでしょう。
今後、AIの能力はますます高まっていくことを考えると、ChatGPTのような生成AIを使って、文章や図を作成するのは当たり前になるでしょう。そうなると、人間の力は必要なくなってくるのではないか?と考えられる一方で、さきほどプレスリリースを添削したように言葉の言い回しの良し悪しや盛りこむべき情報の判断は、むしろ人間の力量が試されることになることでしょう。

 以下、ChatGPTを使ってみた感想を含む要点をまとめてみました。





AI時代だからこそ試される広報担当者の力量。
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 ChatGPTのようなAIツールが出てきたとはいえ、プレスリリースの正しい書き方、自社サービスの伝えた方などは広報担当者の必須スキルです。しかしながら、「何を書くべきか悩んでいる」「第3者目線で意見がほしい」「メディアリレーション」など、広報活動における情報発信で様々な悩みを抱えている担当者も多いのではないでしょうか?

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