グローバルなサプライチェーンは年々複雑化している。新型コロナウイルス感染症による影響は少なくなっているものの、搬送手段の多様化や突如として発生する部品不足、サプライヤーにも課せられる法規制の準拠など考慮すべきことが増え、多くの企業がグローバルサプライチェーンの再構築を考える事態になっている。そんな中、世界初のサプライチェーンをテーマにした国レベルの博覧会である「第1回中国国際サプライチェーン促進博覧会」が北京市で開催された。中国国内だけでなく多くの外国企業も参加し、イベント会場ではサプライチェーンの効率的なマネジメントなどに関する議論が広くなされた。(日経BP 総合研究所)

 11月28日から12月2日まで、「世界をつなぎ、共に未来を創る」をテーマとした第1回中国国際サプライチェーン促進博覧会が北京市で開催される。スマートカーチェーン、グリーン農業チェーン、クリーンエネルギーチェーンなど、世界の重要な産業チェーンとサプライチェーンの川上から川下に至る企業が北京に集結し、新たな「化学反応」を起こそうとしている。

期待を集める3つの注目点

  28日に開幕した同博覧会では、スマートカーチェーン、グリーン農業チェーン、クリーンエネルギーチェーン、デジタル技術チェーン、ヘルシーライフチェーンの5大チェーンとサプライチェーン・サービスの展示エリアが設けられている。515の中国国内外の企業・機関が参加し、そのうち複数の出展者が第2回博覧会の出展ブースを予約済みだ。

 世界初のサプライチェーンをテーマにした国レベルの博覧会である同博覧会は、次の3点の特徴が際立っている。

 1つ目は、各チェーンの各段階における先端製品が展示されていることだ。他の博覧会と違い、同博覧会はグローバル産業チェーン・サプライチェーンの協力促進に焦点が当てられ、5大チェーンの各段階における先進的技術・製品と今後の発展傾向が垂直的に展示され、それとは別に、どのチェーンにもサービス提供を行う金融、物流、プラットフォーマーなどについても展示されている。

 たとえば、スマートカーチェーンでは、コア原材料と重要部品から、バッテリー、モーター、モーターコントローラー、スマートコネクテッドデバイス、さらにはバッテリー式、ハイブリッド、レンジエクステンダーなど各タイプの完成車製品とサービスに至るまで、スマートカー産業をトータルで展示している。グリーン農業チェーンでは、「田畑」から「食卓」まで、チェーン全体の製品・サービスを展示。デジタル技術チェーンでは、科学技術イノベーションと産業の融合発展の最新成果を展示している。

  2つ目は、国際化の特徴が非常に際立っていることだ。海外からの出展企業の割合が26%に達し、そのうち米国と欧州の企業が最も多く、海外からの出展企業の36%を占めた。海外からの出展企業のうち、米国企業が20%を占めている。また、国際機関も幅広く参加し、18機関が参加・出展している。

 3つ目は、産業チェーン・サプライチェーンの協力を促進することだ。第1回となった今回は、中国国内外の出展企業とバイヤーを招き、世界的な関連産業チェーンの各種エンティティ間の協力プラットフォームを構築している。

グローバルサプライチェーンの開放・協力に4つのチャンスを提供

 グローバル経済の回復と前進を推進しようとする時、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの安全、安定、相互接続と切り離すことはできない。同博覧会の開催は、世界のサプライチェーンの開放・協力に向けてより多くのチャンスを提供することになった。

 同博覧会は28日に発表した「グローバルサプライチェーン促進報告」の中で、「中国は世界のサプライチェーン協力に対し、極めて大規模で成長性が高い市場チャンス、産業分類が最もそろった協力チャンス、高水準の対外開放の政策的チャンス、各種要素の加速度的集結というイノベーションのチャンスを提供している」とした。

 国際分業が高度に専門化し、製造の一体化が進む今日にあって、各国は相互に連携し、相互依存のレベルがかつてないほど高まり、グローバルサプライチェーンの持つ公共財という属性がより顕在化している。

より堅固で安定したグローバルサプライチェーンを構築

 グローバルサプライチェーンの安定的でスムーズな流れを維持する上で、中国にはより大きな役割を果たせる能力があり、その自信もある。

 中国は世界で唯一、国際連合の国際標準産業分類(ISIC)の産業分類がすべてそろった国であり、産業システムが整い、産業の組織力が強く、サプライチェーンの強靱性が高い。中国の製造業は13年連続で規模が世界一となっており、世界シェアは30%に迫り、「グローバル製造センター」としての位置づけが日増しに顕在化している。中国は140以上の国・地域の主要貿易相手国であり、物品貿易総額は世界1位、サービス貿易総額は9年連続世界2位で、世界に向けた高標準の自由貿易区ネットワーク構築を加速させている。

 事実が証明しているように、中国はグローバル産業分類システムとサプライチェーンシステムの中で重要な位置を占め、グローバル産業チェーン・サプライチェーンにより深く融合しており、今後もさらなる「サプライチェーンのチャンス」と「サプライチェーンのパワー」を提供していくに違いない。

 世界貿易機関(WTO)のイウェアラ事務局長は、「第1回中国国際サプライチェーン促進博覧会の開催は時宜にかなっている。現在、サプライチェーンが直面している数々の打撃は、実際のところ、グローバル生産ネットワークの構造が非常に脆弱であることをありありと示している。そのため、グローバル貿易の国際化、特に貿易チェーンとサプライチェーンの国際化を強化して、チェーンにおけるすべての段階がそれぞれの役割を果たせるようにする必要がある。今回の博覧会はまさしくこのような効果をあげることができる」と述べた。(出所:人民網日本語版)

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