長引く不動産市況の低迷や若者の就職難などで2023年も年初から不安定な状況が続いてきた中国経済。一方で、中国政府が幅広く政策を講じることで、OECDは中国経済が「安定してきた」との見解も示している。例えば中国最大のECセール「独身の日」期間における流通取引総額は、今年は前年同時期2%増だったと、中国の調査会社である星図数据は報じている。増加率は、前年に比べて大幅に鈍化してものの、個人消費の勢いは保った格好だ。こうした中国経済の回復の勢いをさらに加速すべく、中国人民銀行(中央銀行)など8局は共同で「金融支援措置の強化 民間経済の発展拡大サポートに関する通知」を通達した。これは、民間経済を支援するための25項目の具体的措置であり、融資を積極化するものだ。(日経BP 総合研究所)

 中国人民銀行(中央銀行)、国家金融監督管理総局、中国証券監督管理委員会など8当局がこのほど共同で「金融支援措置の強化 民間経済の発展拡大サポートに関する通知」を通達し、民間経済を支援するための25項目の具体的措置を打ち出した。

民間企業の資金調達ルートを拡大

 この25項目の中には、民間企業の資金調達ルートの開拓に関わる措置が複数ある。たとえば「通知」は、債券市場体制の建設を深化させ、民間企業の債券発行による資金調達ルートをよりスムーズにすること、また多層的な資本市場の役割をよりよく発揮させ、優良民間企業の株式発行による資金調達の規模を拡大することを明記した。

 南開大学経済学院の教授で、専門家フォーラム「中国民営経済50人談」のメンバーである薛軍氏は、「これは民間企業にとって、大きな好材料だ。『民間経済支援25項目措置』をまとめると、単に金を出すだけでなく、金を適切に出さなければならない、と総括できる」と述べた。

外貨円滑化政策とサービスの供給を拡大

 「通知」は、外貨の円滑化政策とサービスの供給を拡大し、民間企業の「海外進出」と「外資誘致」を支援すること、また「国境を越えた投融資の円滑化政策の改善」、「国境を越えた金融・外貨の特色あるサービスの最適化」などの措置を打ち出した。

 薛教授は、「民間企業の持続的な海外進出の流れは、これから相当長い期間にわたりひっくり返ることはないだろう。一方で、民間企業が海外進出して国際競争とグローバル産業チェーンの展開に乗り出すことは、民間企業が発展・拡大するためのルートの1つであり、『デカップリング』に対処し技術イノベーションの水準を向上させるための有効な措置でもある」との見方を示した。

重点分野の民間企業に対する支援を拡大

 「通知」は、科学技術イノベーション、「専精特新(専門化・精密化・特徴化・新規性)」、グリーン・低炭素、産業の基礎再構築プロジェクトなどの重点分野における民間企業への支援を拡大することを打ち出した。

 薛教授は、「『専精特新』などの重点分野における民間経済への支援拡大は、先端分野の技術発展を巡る国の戦略的展開に適応したものだ」と指摘した。

民間経済の金融の受け入れ能力を増強

 また「通知」は、資金調達の関連政策を最適化し、民間経済に対する金融の受け入れ能力を増強することを打ち出した。

 招聯金融の董希淼首席研究員は、「『民間経済に対する金融の受け入れ能力の増強』とは、新しい意味を持つ言い方だ。自分の考えでは、重点は資金調達・信用力向上システムを絶えず最適化し、リスクの分担・補償メカニズムを整備し、民間企業の金融サービス獲得能力と金融機関の金融サービス提供の意欲を高めることにある。民間企業にはデータ不足・信用力不足・担保不足の『3つの不足』現象が広く見られ、こうした措置によって民間企業の『3つの不足』が資金調達に与えるマイナス影響が軽減されることになるだろう」と述べた。(出所:人民網日本語版)

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