「社会人向けに講演会や研修をすると、Google検索の表示順が人によって違うことを知らない人も多く、アルゴリズムがあまり意識されていないと感じる。学校現場も同様で、先生が知らないと生徒に伝わらない」と話すのは、スマートニュース メディア研究所 所長の山脇岳志氏。ネットサービスには、アルゴリズムと呼ばれるさまざまな仕掛けがある。

 それが端的に表れるのが、「おすすめ」として表示されるコンテンツだ。例えば、ニュースサイトで記事を閲読し続けると、いつの間にか自分が読みたくなる話題ばかりが並ぶようになる(図1)。「YouTube」や「Netflix」などの動画視聴サービス、「Amazon」のような通販サイト、「TikTok」や「Facebook」といったSNSは、いずれもこうしたレコメンドアルゴリズムを採用している。

●情報はパーソナライズされている
●情報はパーソナライズされている
図1 ネットサービスで提示される情報は、ユーザーの興味・関心を引くようにアルゴリズムによって最適化されている。例えば同じニュースサイトを見ても、表示される記事は人によって異なる(出所:「 Yahoo!ニュース」の「あなたにおすすめ」)
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利用者の行動を分析している

 アルゴリズムとは、ある問題を解決するための手順や方法のこと。レコメンドアルゴリズムは、利用者の行動履歴を分析して興味・関心を推測し、より好みに合ったコンテンツや商品を推薦する仕組みだ(図2)。

●知っておくべきネットのアルゴリズムとその影響
●知っておくべきネットのアルゴリズムとその影響
図2 アテンションエコノミーを効率化するアルゴリズムは、やがてフィルターバブルやエコーチェンバーを生み出す
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 ネットサービス上における個人の行動を反映するため、推薦されるコンテンツは人によって異なる。ニュースサイトに並ぶ記事のラインアップは、アクセスする人によって全く違うのだ。多くの人が最も頻繁に使うであろうGoogleの検索結果もパーソナライズされることがある。

 ネットサービスが一見親切な機能を提供しているのは、もちろんビジネスのため。より多くの商品やコンテンツを購入してもらうためだけではない。利用者がネットサービス上に滞在する時間を伸ばし、ページ閲覧数を増やせば、より多くの広告を表示できて収益が上がる。